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半年程前に当店にトリミングにきた柴犬は目つきからして恐く、飼い主の方もその柴犬に何度も噛まれた事があり、今まで出していたサロンも攻撃性のために断られたキャリアのある犬でした。
私は慎重にトリミング作業を進め、足先や顔には一切触る事ができないものの、なんとか荒目のコームが通るくらいの仕上がりまでもっていく事ができました。
その模様をビデオに撮り、口輪もエリザベスも使わずに作業ができた事を飼い主の方は驚いていました。
私はグルーミング後その飼い主の方への接客に、「この子が飼い主の貴方様を噛むようになったのも、トリマーさんに口輪をされ押さえつけられるようになったのも、その原因を作ったのは貴方様ご本人であり、この子は人間の手を信用しようと必死なのに、それを無視して厳しい躾をしてきた貴方様に問題があり、貴方様はこの犬に謝らなくてはいけない!」とその犬のこれからの犬生を考えると、これ以上攻撃性が増してしまったら愛護センターに持ち込まれてしまうかもしれないと思ったので、その子の犬生のために伝えるべき事を伝えました。
そして「これから試しに、騙されたと思ってこの子に対して一切怒らない生活を一ヶ月間して下さい。この子がどこでおしっこしようとも、噛み付こうとも、鳴き声が煩かろうとも、決して怒らず、また無視するのではなく、いつ何時も暖かい目で認め傍観して下さい。ご家族全員が一ヶ月を徹底してやればこの子はまず人に対して噛まなくなります。この子は自分の行動を家族から認めてほしいのです。お願いですから一ヶ月間怒らない生活をして下さい!」という提案を私から飼い主の方々に致しました。
それから二ヶ月程経ったある日、再び当店にシャンプーをしに来てくれました。
飼い主の方は開口一番私にありがとう。とお礼を言って下さいました。
「あれからラルフさんの言う通りに家族中で怒らない生活をしたら、うちの子一切噛まなくなったんです。今までならこの場面で噛みに来るなという時に噛まなくなったんです。」
その後、当店で四回のシャンプーをさせてもらい、次回からは当店の商品である”主婦のための美容教室”にその飼い主の方がその子をモデル犬にして入学してくれる運びとなりました。
その柴犬はまだ目に険がありますが、始めてあった時よりは見違える程に柔らかい目つきになってくれました。
皆さんも、怒るという躾は犬に恐怖を与え一つの事を覚えさせにくい子に作りあげてしまい、犬は怒られる事により上下関係を覚えるのではなく、暖かく見守ってくれる人に忠誠心を示してくれる生き物だという事をご理解下さい。